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全館空調住宅の換気性能

昔の住宅は隙間が多く、すきま風など、常に空気の出入りがありました。しかし、現代の住宅は気密性が非常に高いため、計画的な換気が必要不可欠です。ここでは、換気性能が高い家のメリット・デメリットや、「全館空調住宅」の基準や目安などをご紹介します。

換気性能が高い住宅の
メリット・デメリット

メリット

換気性能が高い住宅は、窓を開け続けなくても室内の換気をスムーズに行い、室内の空気を清潔に快適に保ってくれます。このため、シックハウス症候群の防止やカビ・ダニ、結露などの発生防止が期待できます。

また、季節にかかわらず、家中を快適な温度に維持できる点、部屋ごとの温度差がなく、「ヒートショック」や夏場の熱中症を防げる点などもメリットです。

換気システムに使われている換気扇やフィルターには、花粉やPM2.5、黄砂といった外部からの有害物質を遮断してくれる役割もあります。

デメリット

換気性能が高い住宅のデメリットは、空調設備の導入にコストがかかる点です。初期費用だけでなく、空調設備を稼働させるための電気代などランニングコストもかかります。

また、そもそも断熱性・気密性の高い家でないと、効果を発揮しにくい点も要注意。家づくりの設計段階から注意して確認しておきましょう。

ただし、高気密・高断熱の性能が高い住宅であれば、小型の設備でも十分な換気性能を得ることが可能です。大きなコストをかけずに快適な空気環境が手に入るので、高気密・高断熱住宅の施工技術がある会社に相談してみましょう。

「全館空調住宅」と言える
基準や目安

全館空調住宅とは、冷暖房により家中の室温を均質に保つ仕組みを備えた家のことです。戸建て住宅における全館空調の定義は、とてもあいまいで、メーカーによって呼び方も「全館空調」や「全館冷暖房」など異なります。

そもそも戸建て住宅の空気環境に規制や基準がないため、室温や浮遊粉塵量などに対し具体的な基準がないのです。全館空調といっても、ハウスメーカーによって、仕様や金額などに大きな違いがあるので、良く内容を確認しましょう。

目安としてチェックしたいのが、換気システムを搭載しているかどうかです。古い全館空調は冷暖房機能のみでしたが、近年の空調システムには換気機能も搭載されたものが増えています。

換気システムのタイプとは

換気システムには大きくわけて、第一種換気方式・第二種換気方式・第三種換気方式の3つのタイプがあります。

第一種換気方式は、熱交換換気とも呼ばれる換気方式です。機械で常に空気の入れ替えを行うので、安定的かつ正確に換気を行うことができます。また、排気した室内の空気(熱)を再利用するため、換気と同時に冷暖房費の削減も期待できます。

第二種換気方式は、給気のみを強制的に行う換気システムです。給気口以外から外気が室内に入り込みにくく、菌や汚染物質の侵入を防いでくれるのが特徴です。このため、工場や研究所、無菌室や手術室などで多く導入されています。

第三種換気方式は、排気のみを強制的に行うシステムです。いわゆる「換気扇を回して換気を行う」ようなもので、低コストのため、一般の戸建や集合住宅で導入されていることが多いようです。ただし、給気口付近はどうしても外気温の影響を受けてやすく、空調効率が落ちてしまうデメリットがあります。

全館空調では、第一種換気方式を使用するメーカーがほとんどです。メーカーによっては、空気清浄機能を備え、セットで使用することで常に清浄な空気が保てるシステムを採用しているところもあります。

大阪で全館空調住宅が必要な
理由やメリット

大阪は、かなり暑さが厳しい地域です。地球温暖化に加えて都市化による影響が現れていると言われ、平均気温はこの100年で2.6度も上昇(※)。結果、熱中症患者が増加し、人の健康や生活環境への影響が顕著になっています。

また、実は大阪は六甲山地、生駒山地、和泉山脈などに囲まれた大きめの盆地。熱気が溜まりやすい上、多くのビルやマンションの密集によるヒートアイランド現象、大阪湾の夕凪によって流れ込む湿気によって、夏の夜は極めて不快指数が高いのです。

このため大阪では、気密性を確保した快適な室内環境と、空調効率を高める換気システム・全館空調が欠かせません。

こちらのページでは、大阪エリアで全館空調住宅を提供しているメーカーをご紹介しています。「何十年も暮らす住まいを快適で安心できるものにしたい」とお考えの方は、ぜひチェックしてみてください。

換気性能が高い全館空調住宅に対応
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全館空調住宅の仕組み

全館空調は、各部屋にエアコンを設置するのではなく、小屋裏などに大型の空調設備を設置し、廊下、洗面所、トイレ、お風呂場など、家の中を隅々まで一定の温度に保ちます。空調室には全館空調の操作盤が設置されており、各部屋の空調の強弱を調整することができます。熱交換ユニットやホコリや花粉を絡めとるフィルターが付いているものも多いようです。

全館空調住宅を叶える工法例

全館空調には、「天井吹き出し型」「床下冷暖房型」「壁掛けエアコン応用型」「壁輻射型」の4つのタイプがあります。

まず、「天井吹き出し型」。天井内にダクトを設置し、天井の吹き出し口から冷暖気を送るシステムです。給気口から外気を取り込み、床下にある全熱交換器から各階のエアコンに冷暖気を送り出します。

「床下冷暖房型」は、床下の空間を利用した全館空調システムです。床下の基礎部分を断熱して冷暖気を蓄熱し、床からの輻射熱とガラリによる送風で家全体を冷暖します。

「壁輻射型」は、壁に設置された冷暖房パネルからの輻射熱で冷暖気を送るシステムです。冷房は涼しさを、暖房は陽だまりの暖かさをもたらします。

「壁掛けエアコン応用型」は、全館の空調を管理する1台の壁掛けエアコンを設け、各部屋の採風場所を通して家全体を冷暖します。

ハウスメーカーやビルダーごとにさまざまなタイプを採用しており、それぞれ費用も異なります。

全館空調住宅を建てる時の注意点

全館空調システムは、住宅の気密・断熱性が高くないと効果を十分に発揮できません。住宅の気密・断熱性が低いと、隙間から冷気や暖気が入り込み、冷暖房の効きが低下して電気代がかさんだり、壁の内部が結露したりするからです。このため全館空調住宅を建てる際には、各メーカー・ビルダーの断熱等性能や気密性能をよく確認することが大切です。

また、全館空調でもう一つ気をつけたいのは、メンテナンスです。空調機器から各部屋へダクトが伸びているタイプは、長年使っているうちにダクト内にホコリや油汚れなどがたまり、カビなどが発生する可能性があります。

また、排気フィルターはエアコンと同様に定期的な掃除が必要です。高所にフィルターが設置されていると、年齢とともに掃除が難しくなる場合があるので、将来的なメンテナンス性も考えましょう。

空調機が小屋裏や天井裏にある場合や、複雑なシステムの場合は、メンテナンス自体に業者を呼ぶ必要があり、更に費用がかかる場合もあります。

全館空調住宅を建てた人の口コミ

工場の臭いを全く感じない

近くに工場や線路があるんですけど、工場は24時間ほぼ365日稼働してすごい煙がもくもくと上がってるんですね。でも、今までに朝起きて「臭いな」と思ったことはないです。家の中にいたら一切臭いは感じません。

家全体の温度ムラがない

リビングに大きな吹抜けを設けたにもかかわらず、家全体の温度ムラがあまりなく、ダブル断熱の気密性の高さと24時間換気のおかげで空気も綺麗に感じます。どの空間にいてもリラックスできるので毎日快適に暮らしています。

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全館空調住宅が得意な
ハウスメーカー・ビルダーの
見分け方

全館空調システムは、各ハウスメーカーやビルダーごとに独自のシステムを提案している場合が多く、「どこを選べば良いか分からない」という方も多いでしょう。

選ぶ際に注目したいのは、全館空調システムを得意としている会社は、高気密高断熱住宅を施工しているということです。このため、C値やUA値、施工実績などを良く確認して、高気密高断熱住宅の実績が豊富かどうか、よく確認しましょう。

また、一般的に、全館空調システムを導入することで、効率よく室内管温度を整えられ、光熱費を抑えることができます。このため、光熱費の削減にしっかり言及している会社、メンテナンス性にも配慮している会社を選ぶのがおすすめです。

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編集チームコメント

気密性・断熱性や耐震性能に比べて、換気システムや全館空調システムは目立たない存在です。しかし、高気密高断熱住宅でシックハウス症候群や湿気、空気の汚れを防ぎ、快適に暮らすために重要な役割を果たしています。

各ハウスメーカーやビルダーごとに提案しているシステムが異なるので、まずは必要性やしくみをしっかりと理解した上で導入を検討してみてください。